STORY


Icaru Story

イタリアに渡り、
プロダクトデザインの仕事に携わっていた頃に出会ったバッグ製作の仕事。
一職人の見事な手さばきで、平たい素材がどんどん立体になっていく。
多くの時間と行程、人数が必要なほかの工業製品との違いに驚き、
その内容に興味をもつようになっていきました。

ただ、素材に芯材を入れて固く仕上げていく、
足し算的な発想の西洋的ものづくりには少し疑問を持っていました。
ある時ミラノの服飾素材フェアでイタリア製の皮革やシルクを知る機会を得、
その美しさとしなやかさに衝撃を受けました。
この美しい素材を用いて今までにないソフトなバッグをつくれないか、
ひとつのインスピレーションが  Icaru(イカル) の始まりでした。
イタリアでは私の名 Hikaru は Icaru と呼ばれました。

素材の色と風合い、持つ人の情景などを考え、
自然に出来上がったようなかたちをおのずと目指しました。

素上げ感覚。
最小限の手数で、素材の持ち味を活かした仕立てをすることで、
無理のない美しいフォルムが生まれます。そういったものは、
使っていても気持ちがよいものです。あまり意識はしていませんでしたが
いま思い起こせば日本文化に対するリスペクトの想いがあったからこそ、
このような考え方になったのだと気づきます。

イタリアで生活したことで、
自分が日本人ということを意識するようになったのでしょうか。
気候や風土、素材を大切に活かして、自然と共存していく日本的思想は、
無意識のうちに自分の思考の中にあったのかもしれません。

そして、この考えはイタリア料理にも通ずるところがあるのが不思議です。
今でも大切にしていることは変わりませんが、特に日本に拠点を移してから
日本の素材、職人の技術を大切にしたいという想いが強くなってきました。
裁断や縫製も日本の職人がひとつひとつ丁寧な工程で行っております。

自然と生活にとけ込む感覚と、
小さな幸せを楽しめることが Icaru の願いです。

Hikaru YAJIMA / Icaru Designer

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